ベンサミアナタバコの遺伝子発現データベースを構築-実験モデル植物の遺伝子解析ツールをウェブで提供-

2024/12/12

研究開発

かずさDNA研究所は、名古屋大学、京都大学、国立遺伝学研究所と共同で、実験モデル植物であるベンサミアナタバコの網羅的な遺伝子発現データベースサイトを公開しました。

ベンサミアナタバコは、植物病害に対して感受性が高く、病気にかかりやすいことから、植物病理学をはじめとして、さまざま植物科学実験に最も広く用いられているモデル植物の一つです。しかし、複雑な染色体構造を持っていることから、長らくゲノム全体の配列情報は明らかになっていませんでした。そこで、同研究グループは2023年にベンサミアナタバコの詳細な全ゲノム配列の解読を報告しました。

本研究では、ベンサミアナタバコ植物の様々な部位や生育段階ごとのサンプルからRNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いた、網羅的な遺伝子発現解析(RNA-seq)を行いました。この結果から、どの遺伝子がどの部位・生育段階でどれくらい働いているのかを視覚的に表示するデータベースを構築しました。

本研究の成果から、病気に強い作物の開発など、ベンサミアナタバコを用いた遺伝学的解析や分子生物学的研究の促進が期待されます。

詳細は名古屋大学のプレスリリースをご覧ください。

論文タイトル:Establishing a comprehensive web-based analysis platform for Nicotiana benthamiana genome and transcriptome
(ゲノムとトランスクリプトームのデータベースと遺伝子解析プラットフォームの構築)
著者:Ken-ichi Kurotani, Hideki Hirakawa, Kenta Shirasawa, Koya Tagiri, Moe Mori, Abedelaziz Ramadan, Yasunori Ichihashi, Takamasa Suzuki, Yasuhiro Tanizawa, Jiyuan An, Christopher Winefield, Peter M. Waterhouse, Kenji Miura, Yasukazu Nakamura, Sachiko Isobe, Michitaka Notaguchi
掲載誌:The Plant Journal
DOI:10.1111/tpj.17178

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