脊髄性筋萎縮症(SMA)の早期治療が実現

2023/2/7

研究開発

公益財団法人ちば県民保健予防財団は、かずさDNA研究所と千葉県こども病院とともに、全国にさきがけて千葉県内の新生児を対象に、脊髄性筋萎縮症(SMA)の検査を実施しています。

この度、この事業でSMA患者2例が発見され、生後1か月前後の早い段階での遺伝子治療につながったことが、ちば県民保健予防財団より報告されました。

SMAは、運動神経細胞の異常により筋力低下や筋肉萎縮が起こる難病です。特にI型は生後6か月までに発症し、治療をしなければ乳児期に運動発達が止まり、哺乳や呼吸ができなくなります。最近、画期的な治療法が開発され、発症前に治療を開始すれば正常に運動機能が発達するようになりました。一方で発症後では効果が限られてしまうため、早期発見・早期治療が極めて重要となります。

世界的には、台湾、米国をはじめいくつかの国でSMA検査を新生児スクリーニング(すべての新生児を対象に、生まれつき特定の酵素などに異常があって起こる病気を公費負担にて検査すること)で実施していますが、日本では新生児スクリーニングの対象になっていません。

千葉県では、2020年度は研究助成によりSMA検査が無料で実施され受検率も90%程度でしたが、2021年度以降は有料での実施となったため、受検率が40%程度に低下しているそうです。SMAは早期発見・早期治療が障がいを防ぐ唯一の方法です。受検率向上のための公的支援が望まれます。

ちば県民保健予防財団HP https://www.kenko-chiba.or.jp/news/detail.php?id=148

Facebook
X
SDGs