バイオ素材の生産を効率化する酵素の発見

2022/3/23

研究開発

かずさDNA研究所は、温泉土壌に生息する微生物から超耐熱性のセルロース分解酵素を発見しました。(株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンおよび、公益財団法人高輝度光科学研究センターとの共同研究)

持続可能な脱炭素社会の実現が注目される中、石油や石炭などの化石燃料に依存しない再生可能なエネルギーや工業製品の原材料への転換が求められています。

例えば、バイオ燃料やバイオプラスチックなどは、サトウキビの糖分やトウモロコシのデンプンを原料に用いても作られますが、食料との競合が問題になっています。これを解決するために、非可食の植物系バイオマス由来のセルロースを利用する研究が進んでいます。

今回、宮城県の温泉土壌に棲む微生物を調べることにより、95℃の高温で働く超耐熱性のセルロース分解酵素を発見しました。この酵素の立体構造を大型放射光施設SPring-8 BL38B1にて調べたところ、耐熱性を持たせるための種々の構造的な特徴を持つなど、セルロースを原料とするバイオ燃料やバイオプラスチックの生産効率化に有用な性質を持っていることが明らかになりました。

リンク先:公益財団法人高輝度光科学研究センター

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