ユーカリの全ゲノム解読に成功

2012/1/10

研究開発

(財)かずさDNA研究所は、王子製紙(株)と共同で、製紙原料として最も利用されている樹種の一つであるユーカリ(Eucalyptus camaludlensis・ユーカリプタス カマルドレンシス)の全ゲノムの概要配列の解読に成功しました。

ユーカリはオーストラリア原産のフトモモ科の植物で、成長が非常に速い性質を持つため、循環型資源として今後さらに注目度が高まる木質バイオマスの安定的な供給材料として期待されています。ユーカリは、種子の採取、保存と挿し木苗の養成が容易で、大量に苗木を生産できるため、植林木として多く利用されてきました。中でも今回ゲノム解読したユーカリの一種であるE. camaludlensisは温帯、熱帯の気候に適応することができることから、最も広く植林されている樹種の一つです。

今回の解読の結果、ユーカリのゲノムに存在する約7万7千個の遺伝子が明らかになり、木質の合成やユーカリに特徴的な油成分の合成に関わる多数の遺伝子が発見されました。また、得られたゲノム配列情報を基にして、多様なユーカリの系統解析や育種に応用できるDNAマーカーを開発しました。今後は、この成果を活用することによって、ユーカリの新品種の開発スピードが飛躍的に向上し、乾燥や塩に強い耐性をもつより有用な品種の育成が期待されます。

解読の結果は、Plant Biotechnology誌の2011年12月号(12月25日発刊)で発表されるとともに、かずさDNA研究所のデータベース(http://www.kazusa.or.jp/eucaly/)を通して公開します。