ラン藻ゲノム完全解読

1996/3/13

研究開発

藍藻 シアノバクテリア

かずさDNA研究所が、開所後最初の重点課題に選んだラン藻ゲノムの全塩基配列を決定しました。独立栄養生物(光エネルギーと無機物質だけで生育する植物型生物)の全ゲノム解析としては世界最初の成果です。この成果は、3月14日~15日に幕張メッセで開催された光合成生物のゲノム解析に関する国際ワークショップで、遺伝子構造第2研究室の田畑哲之室長が発表しました。

昨年、米国で2種類の細菌の全ゲノム構造が発表されましたが、それぞれ58万、180万塩基対と小型で、動植物に寄生生育する細菌でした。これに対し、かずさDNA研究所で決定したラン藻ゲノムは、独立栄養生物で、また塩基数の点でもこれまでに発表された中では最も大きいものです。

研究所としても、当初の予定よりも約半分の1年4ヶ月という短期間で350万塩基対という膨大な配列を、しかも非常に高い精度で決定することに成功したことは内外に誇れるものであります。

ラン藻ゲノムの全構造を解析したことは、学術的に光合成の本質的なしくみの解明と、独立栄養生物のエネルギー及び物質代謝系の全体像の把握に向けた解析研究を可能にしたという意義があります。

また、応用分野では、光合成システムの応用に向けた開発研究、例えば、光エネルギー利用による環境浄化システム(炭酸ガス固定と酸素発生)や有機物質生産システムの構築などへの道が開かれたと云えます。