薬用植物ホソバオケラに未知の機能を持つB染色体を発見

2024/9/13

研究開発

かずさDNA研究所と千葉大学、株式会社ツムラ、総合研究大学院大学は共同で、漢方原料「蒼朮(ソウジュツ)」の原料となるホソバオケラで、機能が未知であるB染色体を発見しました。

近年、日本国内では漢方の原料となる生薬の需要が拡大しています。しかし、原料価格の高騰により、生薬の安定的な供給が課題となっています。そこで、ゲノム情報の解読と、ゲノム情報を利用した育種が必要となっています。
「蒼朮(ソウジュツ)」という生薬の主な原料となるホソバオケラは、細胞あたり24本(2n=24)の染色体をもっていると考えられていました。しかし、生物進化において染色体の数や形は一定ではなく、同じ種でも変化が生じていることがあります。このような変化のうち、B染色体という特殊な染色体があります。B染色体は生物の生存には必須ではないものの、保有していることで生育が良くなったり、悪くなったりする可能性がこれまでに報告されています。

研究チームは、株式会社ツムラが保有する、様々な特徴を持つホソバオケラ54系統の染色体の数を調査した結果、B染色体を1~2本保有する個体が存在することを初めて明らかにしました。

B染色体はこれまで解析対象とされていなかったため、ホソバオケラの品種改良に役立つ新たな遺伝子が見つかることが期待されます。

詳しくは千葉大学のプレスリリースをご覧ください。

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