ソバゲノムの解読 ~高精度ゲノム解読がソバの過去と未来を紡ぐ~

2023/8/14

研究開発

蕎麦は、寿司、天ぷらと並ぶ代表的な日本食の一つですが、近代的な育種の対象とされずに生産技術の改善が進んでいません。
2016年に、近代育種の基礎となる栽培ソバのゲノムの解読が行われましたが、当時の解析技術には精度に限界がありました。

今回、かずさDNA研究所を含む国際共同研究グループはDNAの塩基配列を一度に長く解析できるロングリード技術を駆使し、
栽培ソバのゲノムを染色体レベルで高精度に解読しました。

その結果、栽培ソバの起原には、チベット南東部の集団が関与していることを解き明かしました。
さらに、このゲノム情報と従来育種法を組み合わせることによって、これまでになかったモチ性ソバの開発に成功しました。
モチ性ソバとは、モチモチとした食感を持つ新たなソバです。
イネなどの多くの穀類にはモチ性形質が存在しますが、ソバにはこれまで存在しなかったものです。

今後、本研究で使われた解析方法や育種方法が、多様な栽培作物の改良に活かされることが期待されます。

京都大学、理化学研究所、農研機構、千葉大学、京都府立大学、総合研究大学院大学、雲南農業大学、ケンブリッジ大学との共同研究。

詳しくは、京都大学のリリース資料をご覧ください。

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