胆道閉鎖症の診断マーカー候補の発見に成功!
~糞便を用いたバイオマーカー探索法の確立~

2021/1/6

研究開発

 
 糞便は被検者に負担を与えずに簡便に採取できるため、そこから有用な診断マーカーを探索する方法が確立されれば、広く臨床応用につながると考えられます。特に、糞便は様々な消化器官をめぐっているため、糞便中の被検者由来のタンパク質を解析することで消化器系疾患の診断マーカーの発見が期待されます。しかし、これまでは技術的な問題から、この期待は現実のものとはなっていませんでした。

 そこで本研究では、消化器系疾患を中心とした新たな診断マーカーの探索を目指して、糞便中の被検者由来のタンパク質を包括的に解析する方法を確立しました。この方法では糞便中からタンパク質を2000種類以上検出することができました。さらに、この方法を胆道閉鎖症患者便に応用した結果、胆道閉鎖症によって変動するタンパク質を100種類以上同定することができました。これらの変動したタンパク質は胆道閉鎖症の診断マーカーになる可能性が高いと考えられ、新生児などの胆道閉鎖症の早期診断への応用が検討されています。

 今後、本方法を他の疾患にも応用することで、糞便から様々な疾患に対する新たな診断マーカーを見出せる可能性があります。

論文のタイトル: Discovery of Candidate Stool Biomarker Proteins for Biliary Atresia Using Proteome Analysis by Data-Independent Acquisition Mass Spectrometry
雑誌名: Proteomes
著者: Eiichiro Watanabe, Yusuke Kawashima, Wataru Suda, Tomo Kakihara, Shinya Takazawa, Daisuke Nakajima, Ren Nakamura, Akira Nishi, Kan Suzuki, Osamu Ohara and Jun Fujishiro
共同研究先: 東京大学、理化学研究所、群馬大学
論文のHP: https://www.mdpi.com/2227-7382/8/4/36