ゲノム解析により、暖地でのブルーベリー栽培が可能になった理由を解明!

2020/9/15

研究開発

 
 かずさDNA研究所は、京都大学と米国農務省との国際共同研究で、137品種のブルーベリーのゲノムを解析し、寒い土地を好むブルーベリーが暖かい土地でも栽培できるようになった遺伝的な理由を明らかにしました。本研究は、ブルーベリーの多様性をゲノム情報と合わせた初めての研究で、今回得られたデータをもとに世界各地に広がったブルーベリーの品種改良がさらに進むことが期待されます。

 ブルーベリーはアメリカ大陸が原産のツツジ科の樹木です。ブルーベリーの品種は、ラビットアイ系とハイブッシュ系に大きく分けられます。ハイブッシュ系はその育種の歴史からノーザン(北部)ハイブッシュ系とサザン(南部)ハイブッシュ系に分類できます。そのうち、ノーザンハイブッシュ系はアメリカ北部で開発された品種で、寒冷な土地を好みます。そして、比較的最近(ここ60年)になって開発されたのがサザンハイブッシュ系で、ノーザンハイブッシュ系品種とフロリダ南部に自生する野生種との交雑により、温暖な地域でも栽培できるようになり、世界中にブルーベリー栽培が広がりました。

 研究所の地元、木更津市でも昭和60年からブルーベリーの栽培が始まり、土壌にあったラビットアイ系品種を中心に早生から晩生の品種が栽培されています。

 今回、アメリカ農務省に保存されているものと日本で流通している品種を合わせた137品種/系統を*ddRAD-seq法により解析しました。すると、サザンハイブッシュ系品種のゲノムは、野生種と交雑して開発された経緯から想定されたように、北部で育種されたものよりもゲノム構造が複雑であることが分かりました。また、サザンハイブッシュとノーザンハイブッシュの違いを比較したところ、暖地への適応に関係すると思われるゲノム領域が複数みつかりました。

*ddRAD-seq解析:2種類の制限酵素でゲノムを切断し、両端が別々の制限酵素で切断された断片のみを次世代シーケンサーで解析するもので、ゲノムの0.1~1%を株や品種が違っても、ゲノム上の同じ領域を再現性良く読むことができ、塩基配列の違いを容易に比較することができる。

詳しくは京都大学のプレスリリースをご覧ください。
京都大学プレスリリース
 
 
論文タイトル: Genomic insight into the developmental history of southern highbush blueberry populations.
著者: Soichiro Nishiyama, Mao Fujikawa, Hisayo Yamane, Kenta Shirasawa, Ebrahiem Babiker & Ryutaro Tao
共同研究先: 京都大学、アメリカ農務省
掲載誌: Heredity

*染色体数:ラビットアイ系(2n = 6x = 72)、ハイブッシュ系(2n = 4x = 48