ラッカセイの黒渋病とさび病に対する抵抗性遺伝子の候補を同定しました

2018/11/26

研究開発

 かずさDNA研究所は、インドのダールワール農業科学大学、国際半乾燥地熱帯作物研究所(ICRISAT)と共同で、ラッカセイの黒渋病とさび病に対する抵抗性遺伝子を同定しました。

 黒渋病とさび病に対する抵抗性をもつラッカセイ品種ともたない品種に対して、ddRAD-Seq法(2016/3/4に紹介)による連鎖解析を行い、各抵抗性遺伝子座の染色体座乗領域を明らかにしました。
 また、ラッカセイ祖先種のゲノム情報 (2016/2/23に紹介)に基づいて、同質遺伝子系統群や抵抗性遺伝子の家系の全ゲノムリシークエンス解析を行い、黒渋病抵抗性に関わるゲノム領域を明らかにしました。そして、黒渋病抵抗性とさび病抵抗性の抵抗性遺伝子座をそれぞれ140万塩基対と270万塩基対の範囲に限定し、病害抵抗性に関わると推定される遺伝子を見出しました。

 今後は、ラッカセイ栽培品種のもつさび病・黒渋病抵抗性の形質を抵抗性をもたない品種に導入することが、より高精度に実現できるようになりました。

 この共同研究でかずさDNA研究所は、研究計画の立案と全体のとりまとめ、ddRAD-Seq分析、全ゲノムリシークエンス解析、抵抗性遺伝子の推定を担当しました。

 本研究成果の一部は日本学術振興会の二国間交流事業の支援を受けて実施されました。

 論文は、Frontiers in Plant Science誌に11月26日付でオンライン公開されました。

論文タイトル:Sequencing analysis of genetic loci for resistance for late leaf spot and rust in peanut (Arachis hypogaea L.) (ラッカセイの黒渋病抵抗性とさび病抵抗性に関わる遺伝子座の配列解析)
DOI:10.3389/fpls.2018.01727
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2018.01727/full

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