ニガウリの苦味成分(ククルビタシン)合成に関わる遺伝子を発見しました

2018/10/17

研究開発

 ニガウリ(ゴーヤ)の苦味成分であるククルビタシンには、血糖値降下作用,血圧降下作用鎮痛作用があると言われています。ククルビタシンはトリテルペンの一種で、ゴーヤにはトリテルペンが20種類以上含まれていることが報告されています。ククルビタシンを含むトリテルペン類の合成経路が明らかになれば、ゲノム情報を用いた育種でニガウリの苦味を制御したり、ククルビタシンを微生物につくらせることが可能になります。

 化学構造上の特徴から、ニガウリのトリテルペン化合物の生合成経路を推測したところ、苦味成分の合成に関与する重要な初期酵素(オキシドスクアレン環化酵素:OSC)が4種類あると予測されました。そこで、ニガウリの果実で発現しているメッセンジャーRNAを次世代シークエンサーで解析しました。次に、それぞれのOSC遺伝子をクローニングし、酵素の機能解析を行いました。

 ククルビタシンは果実に多く蓄積されていますが、葉や果実の遺伝子発現の解析からは、合成に関わる遺伝子が葉で多く発現していることが分かりました。このことは、ククルビタシン生合成の初期段階が葉で起こることを示しています。この解析データは、他のニガウリの苦味成分の生成メカニズムの解明にも役立つと期待されています。

 研究成果は、BIOSCIENCE, BIOTECHNOLOGY, AND BIOCHEMISTRY誌に10月15日付でオンライン公開されました。

かずさDNA研究所 バイオ研究開発部・機器分析グループと明治大学農学部農芸化学科ケミカルバイオロジー研究室による共同研究

論文タイトル:Identification of triterpene biosynthetic genes from Momordica charantia using RNA-seq analysis.(RNA配列解析によるニガウリ(ゴーヤ)のトリテルペン生合成遺伝子の同定)
著者:高瀬翔平、解良康太、平尾侑也、細内敦、小竹由起、永島良樹、萬年一斗、鈴木秀幸、久城哲夫
雑誌:BIOSCIENCE, BIOTECHNOLOGY, AND BIOCHEMISTRY
DOI:10.1080/09168451.2018.1530096