テーマ 38個体発生は細胞増殖と細胞死の調和で進行します

リー・ハートウェル ボブ・ホロヴィッツ マイク・ヘンガートナー スコット・レーベ リー・ハートウェルは、酵母をモデル系として使い始めたひとりで、細胞周期に関わる多くの遺伝子を同定しました。ボブ・ホロヴィッツマイク・ヘンガートナーC. elegans を使って、プログラム細胞死の機構を解明しました。スコット・レーベの研究は、細胞周期の制御がどのようにがんに関わっているのかを明らかにしました。

スコット・ウィリアム・レーベ(1963-)


スコット・レーベ

 スコット・レーベは、ウィスコンシン州ラシーンで生まれました。彼は理科が得意で、高校のコースのほとんどを取りましたが、科学への興味はありませんでした。実際のところ、彼は、法律家になろうと思っていました。

 1982年、レーベはウィスコンシン大学マディソン校で、化学工学を勉強し始めました。彼は、化学工学は、化学と工学(数学)でやる何かだと思っていました。彼はすぐ、これは自分に向いていないと分かり、自分がやりたいことを見つけるために、総合コースを取ることに決めました。レーベは、生化学と遺伝学の学部コースを通して、生物学と分子遺伝学が本当におもしろくなりました。学部生対象のプロジェクトとして研究室に働きに行き、卒業後もその研究室に2年間、技官として留まりました。

 1988年、レーベはマサチューセッツ工科大学生物学科に行き、大学院の研究を始めました。たまたま、ミハエル・ヘンガートナーも、同じ日に同じ学科で大学院生活を始めています。その時は、ほとんど知りませんでしたが、彼のがん遺伝子に対する興味は、ある日、ヘンガートナーの細胞死遺伝子への興味と重なることになるのです。

 博士号取得後、彼はマサチューセッツ工科大学に博士研究員としてとどまり、がん抑制因子として知られた、p53の細胞増殖に対する影響を研究し始めました。彼は、放射線でダメージを受けた細胞において、p53はプログラム細胞死に必要であることを見出しました。プログラム細胞死が、がん細胞増殖とつながったことは、どのようにしてがん細胞が増殖するのかということに、新しい視点を与えました。

 1994年、レーベは、コールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)に加わりました。彼は今も、CSHLのワトソン生物学学校の兼任教授です。レーベの研究室はp53経路と、がん細胞の増殖、拡散、修復に対する細胞死遺伝子群の効果について、研究を続けていました。レーベは、2011年にスローン-ケタリング記念がんセンターに移りました。

 レーベは自由にできる時間は、ほとんど家族と過ごします。特に二人の子供と。彼はハイキングとキャンプが好きで、スキーも彼の好きなスポーツです。

factoid Did you know ?

C. elegans でプログラム細胞死を起こさなかった細胞は、その姉妹細胞と同じ運命を辿ります。余分な細胞が、害をなすようには思えませんが。

Hmmm...

ブログラム細胞死を起こさない C. elegans 変異株にできる“余分な”細胞は、神経細胞のことが多いのです。そんな線虫は、賢いのかな?