サブクローバーの全ゲノム解読(NL57)

シロツメクサなどのマメ科クローバ属は、栄養性の高い牧草として世界で広く栽培されています。中でもサブクローバは、乾燥に強いこと、落花生のように開花後に花器官が土中にもぐり結実するので、一度牧草地に播種すれば永年的に利用できる(毎年種を蒔く必要がない)ことから、広大な牧草地で肉牛を飼育するオーストラリアではよく栽培されています。

一方で、マメ科牧草は、家畜の呼気(げっぷ)等から発生するメタンガスの原因となります。メタンガスは二酸化炭素に比べて(大気圏中の)温室効果が高く、畜産大国であるオーストラリアでは、家畜からのメタンガス発生の抑制が課題となっています。

そこで、ゲノム情報を活用して、メタンガスの発生を抑制することができるマメ科牧草の品種育成を目指す共同研究の一環として、サブクローバのゲノムを解読しました。

日本は、オーストラリアから食肉や乳製品などの畜産物を大量に輸入しています。この研究がオーストラリアの畜産業に少しでも役に立つことが期待されます。

かずさ DNA 研究所と西オーストラリア大学、西オーストラリア州農業・食品部、マードック大学との共同研究

Facebook
X
SDGs