ナスの全ゲノム解読(NL50)

ナスはナス科を代表する作物で、ナス科ナス属には、国際協力プロジェクトによりゲノムが解読されたトマトやジャガイモがあります。タバコやトウガラシ、ペチュニアなどもナス科です。ナス科の作物の多くは南米原産ですが、ナスはインド東部原産で、日本にも平安時代頃には入ってきていたようです。日本で栽培されている地方在来種のほとんどは「茄子紺」色ですが、ヨーロッパやインドには、緑や白の品種もあります。

今回、ナスの全ゲノムを解読し、病害抵抗性に関わる遺伝子や、アントシアニンや抗酸化活性を持つ機能性成分の合成に関わる遺伝子を同定しました。トマト、ジャガイモ、タバコ、アブラナ科のシロイヌナズナと比較したところ、約7,600個の遺伝子がナスに特有のものでした。

研究成果は、南アジアや日本などに存在する多くの地方在来種の保護や、病害抵抗性を持つ新しい品種の開発に応用されます。また、近縁種とゲノムを比較することで、ナス科植物の進化研究も進むと期待されています。

かずさDNA研究所と農研機構・野菜茶業研究所との共同研究

Facebook
X
SDGs