テーマ 22DNAの単語は3文字の組合せで決まります

マーシャル・ニーレンバーグ ハー・ゴビンド・コラナ マーシャル・ニーレンバーグハー・ゴビンド・コラナ、そしてロバート・ホーリーは1968年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞しました。ニーレンバーグとコラナは遺伝暗号を解読し、ホーリーはtRNA分子の配列を決め、構造を推定しました。

ハー・ゴビンド・コラナ(1922-2011)


ハー・ゴビンド・コラナ

 ハー・コラナは西パキスタンのラーイプルで生まれました。父親は英領インド政府の役人でした。彼の家族は裕福ではありませんでしたが、コラナの父親は、子供たちには必ず教育を受けさせようと思っていました。

 コラナはラホールのパンジャーブ大学に進み、科学の修士課程を修了しました。1945年、インド政府からの奨学金で、海外で学ぶ機会を得ました。彼は、リバプール大学に進み、そこで博士の学位を取得しました。

 次の数年間、コラナは、最初はチューリッヒ工科大学で、次にケンブリッジ大学で G.W. ケナーとアレクサンダー・R・トッド卿と共に、博士研究員として働きました。コラナがタンパク質と核酸に関心を高めたのはケンブリッジででした。

 1952年、コラナはブリティッシュ・コロンビア大学の職を申し出されました。そこで彼はリン酸エステルや核酸についてのいろいろな研究プロジェクトを全く独立に行うことができました。タンパク質合成のためのリボトリヌクレオチドの化学合成の研究はこの頃始められました。

 1960年、コラナは、ウィスコンシン大学の酵素研究所での職を引き受けました。彼は、ヌクレオチド合成と遺伝暗号の解読の研究を続けました。この仕事によって、コラナは、1968年のノーベル生理学・医学賞を、ロバート・ホーリー、マーシャル・ニーレンバーグと共同で受賞しました。

 1970年から2007年に定年退職するまで、コラナはマサチューセッツ工科大学の生物学と化学のアルフレッド・P・スローン教授職[特定の寄付者の名前を冠した教授職のひとつで、ゼネラル・モーターズの社長に因む]に就いていました。2007年には、彼の栄誉を記念して、ウィスコンシン大学マディソン校、インド政府、そしてインド・アメリカ科学技術フォーラムによって、コラナ・プログラムが設立されました。このプログラムの使命はアメリカ合衆国とインドの、科学者、実業家、社会的な起業家のコミュニティを作り上げることです。

factoid Did you know ?

オリゴヌクレオチドPCRプライマーを合成するために使用される現代的な方法は、まだ特定のDNA配列を作るコラナの方法の原理に基づいています。

Hmmm...

なぜ遺伝暗号は余剰なのでしょう?なぜ、なにもコードしていない“余分な”コドンは存在しないのでしょうか?