細胞シミュレーションのためのソフトウェア環境


荒川和晴(慶応義塾大学環境情報学部)
Institute for Advanced Biosciences, Keio University
システムバイオロジーのアプローチによる動的な生命現象の理解のためにはコンピュータシミュレーションが不可欠である。
このような目的のためにE-Cell Simulation EnvironmentやCOPASIなどの細胞シミュレータがこれまでに開発されてきているが、依然として大規模かつ複雑な生体パスウェイをモデリングする手法や、シミュレーションの結果として得られる膨大な情報を理解するための手法は限られている。
本講演ではさまざまなデータベースから得られる情報を用いて定性的及び定量的な機能注釈を自動的に行うことで、 細胞シミュレーションのモデルのひな形を迅速に構築するGEMシステム、定量的モデルのデータベースであるism、オミクスデータをパスウェイのコンテキストで可視化するウェブアプリケーションMEGUなど、慶應義塾大学先端生命科学研究所で開発されているさまざまなソフトウェア環境を紹介する。