85グループ長平岡 桐子1.ミッションと主要なテーマ 広報・教育支援グループでは、かずさ DNA 研究所の活動や成果を一般の方にわかりやすくお伝えするとともに、理科教育支援を通してゲノム科学や生命科学に関わる人材の育成に努めています。 最新の研究成果をより多くの方に知っていただくために、積極的にプレスリリースを行い、アウトリーチ活動の報告とあわせてHPで公開しています。公開した情報は、研究所のサポーターズクラブのメールやSNSでも配信をしています。また、活動報告や世界のDNA研究などを紹介するニュースレター(季刊誌)や年報を発行しています。 人材育成を目的とした理科教育支援として、県内の中学校や高校に出向きDNA抽出実験やPCR実験を体験してもらう出前講座や、全国の学校を対象としたリモート実習、研究所の見学を含む所内実習を多数開催しています。また、DNA 研究の普及・啓発活動を進めるために一般の方を対象とした講演会を開催し、様々な科学イベントにも参加しています。2.最近のトピックスや成果 コロナ禍で出前講座が制限された影響もあり、2020年からリモート実験「実験教材貸出事業:DNA実験宅配便」を開始しました。学校で購入することが難しいPCR装置やマイクロピペット、実験で使用する試薬や説明資料などをセットにして宅配便で学校に送付し、zoomを使って双方向のやり取りをしながらDNA実験を体験してもらう実習です。これまで千葉県内に限られていた出前講座が北海道から沖縄まで全国展開することができるようになり、年々依頼が増加しています。 夏休みに開催している宿泊型の実習では、全国から選ばれた優秀な生徒たちが研究所に集まり、シークエンスやDNA組換え実験などの高度な実験を体験しています。実習で得られた知識や技術を、学校に戻ってから自分の課題研究や部活動に活かしている生徒の声も届くようになりました。また、2023年度からキャリア教育支援の一環として、研究者が中学校に出向き自身の経験や研究職の魅力を伝える活動もはじまりました。 さらに、生徒たちだけではなく、一般の方にも生命科学の楽しさや社会における重要性を広くお伝えするため、2023年度からオンラインの「かずさDNA研究所 生命科学講座」をスタートしました。生命科学に関する様々な話題をテーマに、国内外でご活躍されている研究者に講演していただいています。登録をすればどなたでも、期間中好きな時間に視聴することができます。今年度は、全国から500名以上のご登録があり、携帯やタブレットなどでご視聴いただいています。また、研究所の活動や成果をより多くの方に知っていただくために、2017年からDNA倶楽部メール、2018年からFacebook、2022年からXを開始しています。なかでも、公式キャラクターのダーナが研究成果などをつぶやくXは、年間で約14万回表示されるなど多くの方にみていただけるコンテンツとなっています。3.将来展望 食料不足や地球温暖化、未知のウイルスの出現など様々な社会的な問題を解決するために、DNA研究への期待が高まっています。また、科学で支えられた社会を生き抜くためには、科学的なものの考え方が重要となっています。これからの社会を支える人材を育成するため、出前講座をはじめ様々な魅力的な理科教育支援活動を展開し、ゲノム科学や生命科学の魅力や可能性を感じる機会を提供していきます。さらに、学べるウェブサイトをより充実させ、ソーシャルメディアや刊行物などを通して研究所の取組みや成果を広く紹広報・教育支援グループ
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