大容量メモリ搭載解析サーバー総数19台高速ネットワーク研究所内大容量ストレージ高速演算クラスタシーケンサー総容量22PBサーバーノード数7283施設長田畑 哲之 1990年代以降DNAの塩基配列を読み取る技術は急速に進展し、大量かつ高精度なDNA配列を迅速に取得できるようになったことから、多種多様な生物種のゲノムの塩基配列を分析できるようになりました。シークエンサーが出力するDNA配列の大量のデータを元に全ゲノムの配列を決定(ゲノムアセンブリ)し、ここに含まれる膨大な遺伝子情報を解析して遺伝子の機能を明らかにすることは、生命現象を理解する上で重要な作業です。そして、この作業には高性能な電子計算機とさまざまな解析ソフトウエアが必須です。ゲノム情報解析施設では、電子計算機による大規模な生命情報解析(バイオインフォマティクス)に必要な電算機システムを常に最新な状態で整備・運用しています。 本施設は、2023年時点で、データを保存するための容量22PB(ペタバイト)のストレージシステム(補助記憶装置)と、ストレージに蓄積するデータを分析するための解析サーバー、および、高速演算するクラスタサーバー、そしてサーバーとストレージ間でデータ通信を行う高速ネットワークシステムから構成されています(図参照)。また、当研究所で行われている多種多様な生物種を対象とした大規模なゲノム構造・機能解析に必要な様々なソフトウエアを利用できるよう、環境の整備を進めています。DNA配列解析技術の発展により、得られるDNA配列データ量は毎年増え続けており、情報解析の処理速度や保存に必要なストレージ容量も年々増加しています。さらに、解析サーバーを含む情報技術も年々進歩しています。そのため、計算機の環境を定期的(およそ5年に一度)に更新するための設計・構築も行っています。 DNA配列をはじめとする情報解析に対する電算機システムの性能や機能へのニーズは、研究内容に応じて少しずつ変化しています。こうした最新のニーズにあわせて最適な技術を導入し、ゲノム研究に最適なシステムの設計・構築、整備と運用を目標とした活動を行っています。ゲノム情報解析施設
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