2かずさDNA研究所特別顧問千葉県知事熊谷 俊人 かずさDNA研究所は、世界初のDNAを専門に研究する施設として、平成6年10月に開所しました。これまでの間に、シロイヌナズナをはじめとする植物や藻類など70種類以上のゲノム情報を解読するなど、それまで誰も成し得なかった、数多くの成果を挙げてきました。 30年という長きにわたり、研究所がバイオライフサイエンスの基礎研究分野において、世界をリードすることができたのも、大石理事長、田畑所長、小原副所長をはじめとした研究所の皆様方が一丸となって、困難な課題に立ち向かい、努力を積み重ねてきた結果であり、深く敬意と感謝の意を表します。 また、基礎研究で培った知見や技術を応用して、農業分野では、迅速・安価に野菜種子の品質を確認する独自の手法を開発したほか、医療分野では、希少難病の遺伝子検査を全国の医療機関より受け入れるなど、様々な社会的課題に対しても、貢献しているところです。 加えて、理科教育の推進を図るため、ちばの未来を支える子供たちが、最先端の科学技術に触れ、将来を考えるきっかけとなるよう、小学生向けの体験教室から理系高校生向けの高度な実践的教育まで、幅広く事業を展開しています。 このように、研究所は、医療、農業、環境、教育といった様々な分野において活躍の場を広げていますが、令和5年に策定した第6期中期経営計画では、原点に立ち返り、基礎研究の強化を最重要課題として位置付け、新たに「シーズ開拓研究室」を設置し、将来、社会的な重要性が高まることが期待される研究分野のプロジェクトを推進することとしています。 県としても、研究所の基礎研究の強化は、大変、重要と考えており、20年、30年先を見据えたかずさDNA研究所の取組について、しっかりと後押ししてまいりますので、皆様におかれましても、かずさDNA研究所へのより一層の御理解と御支援をお願いいたします。県知事挨拶
元のページ ../index.html#9