2023年度のDNAキャンプ実験概要2023年度のDNAキャンプポスター49(長瀬 隆弘)かずさの森のDNAキャンプ全国の高校生を集めた宿泊型ハイレベル実験講座 この講座は、2014年度に国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)が主催するスプリング・サイエンスキャンプの会場のひとつとして採択されたことをきっかけとして始まりました。JSTから旅費や宿泊費が支給されたこともあり、2015年3月末に北は秋田、南は熊本から12名の高校生が当研究所に集まり、「有用酵素を探し出そう!〜環境微生物の遺伝子資源〜」というテーマで、2泊3日の実験講座を行いました。JSTからの教示もあり、どのようにして実験講座を安全かつ効果的に進めるかなど、大いに得るものがありました。 残念ながら2014年度でJSTのサイエンスキャンプ事業が終了したため、この経験を活かすべく2015年度から、独自に宿泊型の講座を開催しました。初年度はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)連携を行っている千葉県立長生高等学校と地元の千葉県立木更津高等学校(2016年より教育連携開始)の生徒11名を対象に実施しました。2018年には対象を一都六県、2019年からは対象を千葉県内の全高校と全国のSSH校に拡大していきました。 2020年から3年間は新型コロナウイルス感染拡大のためオンラインでの開催としましたが、2023年は通常通り研究所で実施しました。61名の全国からの応募者から選考された10名の参加者は、「遺伝子で自分自身を知る」をテーマに、遺伝子クローニング、遺伝子組換え実験、DNA塩基配列解析や生物情報科学などのゲノム科学を体験しました。生徒たちは、高度な実験を体験できたこと、興味を同じくする素晴らしい仲間に出会えたことなどで、参加したことをとても喜んでいました。
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