所内実習出前講座34出前講座DNA出前講座とDNA実験宅配便の推移県内外の理科教育をサポート 理科教育支援や人材育成を目的として、1998年度から母都市(木更津市・君津市・富津市・袖ケ浦市)の中学生にパンフレット(「生命の設計図(DNAってなに?!)」、2014年度から「知れば知るほどおもしろいDNA」に改訂)の配布を行っています。その間、2012年度からは中学校新学習指導要領に、「発展」としてDNA抽出実験がカリキュラムに入り、DNAがより一般的なものになりました。 中学・高校に向けて授業時間の中でDNA実験を体験してもらう活動も行っています。講座では、学年や参加人数に応じて、野菜などの身近な食べ物からDNAを取り出す実験、食肉のDNA鑑定、お酒の分解に関わる遺伝子の解析など、楽しみながらDNAを身近に感じてもらえるような授業を行っています。また、高校生を対象に学校のコンピュータールームを使ったバイオインフォマティクス(生物情報科学)実習も実施しています。2019年7月11日には、学校の理数教育への支援活動を本格的に始めた2013年以降に実施したDNA出前講座の受講生徒数が1万人を超え、袖ケ浦市立蔵波中学校にて認定証贈呈式を行いました。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)校に対しては、より高度な研究機器を使った遺伝子組換え実験なども実施しています。 2009年に高等学校学習指導要領が改訂され、生物のバイオテクノロジーの単元には、分子生物学に関する内容が増補されました。当初、学校現場で指導する教員には、大学等で分子生物学分野を専門としてこなかった方も多かったことから、千葉県内の教育委員会/教育研究会の依頼により、研修を実施しました。そして、2014年度からは毎年夏休み期間中に千葉県総合教育センターとの共催で県内教員を対象に「DNAについてやさしく学ぶ生物先端技術研修会」を実施しています。さらに2019〜21年度には、文部科学省の指定を受け、全国の高校教員を対象に教員免許状更新講習を実施しました。 2020年度からは、「DNA実験宅配便」を開始しました(55ページ参照)。 米国コールドスプリングハーバー研究所が制作したウエブサイト「DNA from the Beginning」を翻訳した「DNA入門」を2017年に公開しました。このウエブサイトは2024年までの4年間で40万人に利用され、分子生物学の学習に貢献しています。(平岡 桐子)中高生向け教育支援
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