30周年記念デジタルブック
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63)「財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所」の設立 研究テーマの具体化に伴い、平成2(1990)年7月、研究所の名称を「かずさDNA研究所」に決定し、研究所長予定者(高浪満京都大学化学研究所教授・当時)が公表されました。さらに千葉県を中心に研究所の運営主体となる財団法人の設立準備が進められた結果、平成3(1991)年3月4日、民法第34条に基づく公益法人として「財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所」が設立されました(通商産業大臣許可、平成5(1993)年には主務官庁に科学技術庁(現:文部科学省)が加わり、通商産業省(現:経済産業省)との共管となった)。研究所設立の目的は、「遺伝物質の本体であるDNAの構造の解析研究、DNAの構造の解析技術に関する研究、DNAの機能等に関する研究並びにDNAに関するデータ等の蓄積及び提供等を行うことにより、新しい産業分野の創出や産業構造の高度化及び科学技術の振興を促し、もって人類の福祉に貢献すること」とされました。4)研究所開所へ 平成3(1991)年3月4日の財団法人としての設立の後、研究所としての組織形成は同年4月1日の事務局発足から始まりました。当時の事務局の所在地は千葉県庁近くの蚕糸会館内でした。のち研究員の採用などの準備が進められましたが、併せて必要となったのが開所までの間の技術員の研修及び先行的研究等を行うための場所の確保でした。DNAの構造の解析研究についてはすでに世界中で競争が始まっていて、研究所開所とともに直ちに本格的研究活動を開始する必要がありました。財団法人事務局との連絡調整また解析試料の供給先との利便性などを図るため、所在地は千葉市内であることを条件に検討を重ねました。さらに関係機関と調整した結果、千葉県農業大学校専修科校舎として使われていた建物の一部を改修して使用することになりました。そして、平成4(1992)年度中に改修工事が行われ、平成5(1993)年4月1日、仮研究所(職員研修所)が開設されました。 この間、本研究所(木更津市)の建設工事は、千葉県によって平成4(1992)年10月から着手され、同5(1993)年度末には研究所本体工事が竣工となり、平成6(1994)年4月、県から研究所建物等施設の貸与を受けました。さらに同年7月上旬には仮研究所(研究職員)、8月中旬に事務局が本研究所へ移転し、10月26日に研究所の正式開所を迎えることができました。

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