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研究成果

サツマイモの栽培種と野生種の塩基配列の違いを解析しました。

〜栽培種のゲノム解読が加速〜

2017年3月13日

 (公財)かずさDNA研究所と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)九州沖縄農業研究センターは、中国農業科学院、中国農業大学、韓国生命工学研究院、韓国農村振興庁と共同で、サツマイモ(Ipomoea batatas)の栽培品種のゲノム上にある野生種(Ipomoea trifida)との塩基配列の違いを解析し、ゲノム上に配置しました。

 サツマイモは15本ひと組の染色体を6組持つ同質六倍体で、複雑なゲノム構造をしているため、かずさDNA研究所がこれまで取り組んできた実用植物のゲノム解析で培った技術と経験が重要になります。2015年には、農研機構九州沖縄農業研究センターと共同で、今回使用した二倍体近縁野生種(Ipomoea trifida)のゲノム解析の結果を論文発表しています(2015年3月24日プレスリリース)。

 今回得られた情報はデータベース化して、かずさDNA研究所のウェブサイトSweetpotato GARDENで公開しました。これらのデータは、六倍体のサツマイモのゲノム解読を実現する上で、最初に必要となる基盤情報となります。

 また、焼き芋用、(焼酎の原料などの)調理加工用、芋づる食用などの目的に応じた品種や、ネコブセンチュウや立枯病などに耐性を持つ品種の早期育成が期待できます。

 研究成果は、2017年3月10日付のScientific Reports誌にてオンライン公開されました。かずさDNA研究所は、研究計画の立案と全体のとりまとめ、塩基配列データの取得とゲノム情報解析、及び遺伝解析の部分を担当しました。

写真:今回解析に用いた
サツマイモ品種
「徐薯(ジョショ)18号」

論文情報:
A high-density SNP genetic map consisting of a complete set of homologous groups in autohexaploid sweetpotato (Ipomoea batatas).
Scientific Reports (2017) doi:10.1038/srep44207
論文のURL:http://www.nature.com/articles/srep44207

<詳細につきましては以下の資料をご覧ください>
サツマイモ資料(PDF:423KB)