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研究成果

サツマイモ近縁野生種のゲノム解読に成功

〜サツマイモ有用品種の開発に光〜

2015年3月24日

 公益財団法人かずさDNA研究所は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)九州沖縄農業研究センターと共同で、サツマイモの二倍体近縁野生種Ipomoea trifidaのゲノムを解読しました。
 市場に流通しているサツマイモのゲノムは、ひとつの細胞に6組のゲノムを持つという複雑な構造をしているために解析が難しいのですが、今回の成果は、その解読を実現する上で必要となる基盤情報を提供します。
 本研究で明らかになったデンプン合成に関与する遺伝子などを利用して、デンプンの性質や含量を改良するためのDNAマーカーを開発するなど、サツマイモの育種に活用することができます。
 育種的な利用だけでなく、サツマイモの分類やIpomoea属の進化研究にも応用することができます。

研究成果は、2015年3月24日付のDNA Research誌にてオンライン公開されました。

DNA RESEARCH誌:http://dnaresearch.oxfordjournals.org/

(DOI: 10.1093/dnares/dsv002)

写真:I.trifidaの花(左)と根(右)
I.trifidaは、サツマイモと同様に、アサガオに似た花を咲かせます。I.trifidaの根は通常は肥大しませんが、解析系統である「0431-1」ではわずかに肥大が見られます。そのため、サツマイモの根の肥大に関連する遺伝子がこの系統内に存在しているのではないかと考えられています。