セントロメア構造の安定維持機構に関する、新たな知見が得られました。

2015/5/1

研究成果

 公益財団法人かずさDNA研究所では、これまでに、細胞増殖を通じて安定に分配維持されるヒト人工染色体(HAC)ベクターを用いて、染色体分配に関わるセントロメア領域の研究を行っています。

 セントロメア領域には、染色体分配やDNAの凝縮に関わる数多くのタンパク質が集まっています。そのうち、CENP-Aタンパク質は、染色体分配に関わるセントロメアの構造形成に必須な目印となるタンパク質です。また、CENP-Bタンパク質はセントロメアの反復DNA配列に結合するタンパク質であることが分かっています。しかしながら、CENP-Aタンパク質を含むCENP-Aクロマチン複合体が、どのようなメカニズムでセントロメアの反復DNA領域に集合し、構造が維持されているのかは分かっていませんでした。

 今回の研究で、CENP-Aタンパク質(のアミノ末端側)とCENP-Bタンパク質(のアミノ末端側)が相互作用して、反復DNA配列上で複合体として安定化されることを、試験管内の再構成実験で明らかにしました。更に、細胞内においても、CENP-Aクロマチン複合体はCENP-Bタンパク質が反復DNAに結合している場合に安定化されることを証明しました。

 この研究成果は、染色体の安定分配機構の解明と、今後の人工染色体ベクター開発に役立ちます。

 研究成果は、4月27日のNucleic Acids Research誌のオンライン版で公開されました。この研究は、早稲田大学、NIH(米国国立衛生研究所)との共同研究です。本研究では早稲田大学とかずさDNA研が同等に貢献しました。

論文のURL:http://nar.oxfordjournals.org/content/early/2015/04/27/nar.gkv405.abstract