Manual PowerGet PowerFT MainWorkFlow MSMSPreparation

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PowerFTの入力データフォーマットでは、得られた<span class="km_glossary">[[Manual_PowerGet_Glossary#MSMS|MS/MS]]</span>スキャンのデータが、どの<span class="km_glossary">[[Manual_PowerGet_Glossary#FullMS|FullMS]]</span>スキャンのどのイオンに由来したものであるかが記載されていません。その対応付けを行います。
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== MS/MS Preparationツール ==
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== 対応付けの方法 ==
  
メイン画面<span class="km_menu">Analysis</span>から、<span class="km_menu">MS/MS Preparation</span>を選択してください。
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=== MS/MS Preparationツールの起動 ===
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メイン画面<span class="km_menu">Analysis</span>から、<span class="km_menu">MS/MS Preparation</span>を選択してください。MS/MS Viewウィンドウがひらきます。
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=== ファイルの選択 ===
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ツールの<span class="km_menu">File</span>メニュー<span class="km_menu">Select Full MS File</span>で、Full MSファイルを選択します。同様に、<span class="km_menu">File</span>メニュー<span class="km_menu">Select MS2 File</span>で、MS/MSデータのファイルを選択します。
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Full MSファイルとMS/MSファイルは、同じフォルダ({{glossary|HomeDir|ホームディレクトリ}})に入れておいてください。また、Full MSデータは<span class="km_strong_red">内標補正をしていないデータ</span>をご使用ください。
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=== 対応付けの実行 ===
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ツールの<span class="km_menu">Run</span>メニューから<span class="km_menu">Start Processing Now</span>を選択すると、対応付けの処理が始まります。
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処理が終わると、ツール画面左のリストに数字が表示されます。また、もとのFull MSファイルあったフォルダに、'''MSMS.txt'''という名前の新たなファイルが作成されています。
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=== データの確認 ===
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リスト中の表示は、次のことを示しています。
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Full MSのスキャン番号 - MS/MSのスキャン番号 - 溶出時間(min)
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リストの行をクリックすると、右のグラフにデータが表示されます。いくつか行をクリックしてみて、期待通りのデータであるかをご確認ください。
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=== 対応付けしたデータ ===
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Full MS、MS/MSファイルと同じフォルダに、'''<span class="km_strong_red">MSMS.txt</span>'''というファイルが作成されています。このデータが、解析ステップ4で使用するデータです。
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== その他のツール機能 ==
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=== 作成したMSMS.txtデータを開く===
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一度作成したMSMS.txtデータを開いて閲覧できます。操作手順としては新規作成と大差ありませんが、MSMS.txtファイルが上書きされないという利点があります。
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操作は少し変則的です。まず、ツールの<span class="km_menu">File</span>メニューの<span class="km_menu">Select Full MS File</span>から、Full MSデータを選択してください。この後、<span class="km_menu">File</span>メニューの<span class="km_menu">Open MS/MS File</span>で、MSMS.txtファイルを選択してください。データが読み込まれます。
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=== MS/MSデータを閲覧する ===
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ツール画面右側にある、MS/MSデータの閲覧パネルについて解説します。ツール左にあるリストをクリックするとデータが表示されます。
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==== 表示の意味 ====
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デフォルトでは、Full MSとMS/MSが同時に描かれています。描画色は以下を示しています。
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!描画色 !! 説明
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※強度の強いフラグメントは、MS/MSフラグメントの強度(リニア値)で一標本のT検定を行った際に信頼区間x%以上のものを示しています。xは、パネル下部Conf. Int.のテキスト入力欄で指定できます。
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グラフ中、緑色の四角(<span style="color: green;">■</span>)で示したものは、Full MSスキャンのイオンのうち、MS/MSデータにも強い強度で出現するイオンを示しています。これは、Full MSスキャン時のオートフラグメンテーション(スキャン時に分解したもの)と考えられます。
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==== 表示の切り替え ====
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Full MSの表示、オートフラグメンテーションの候補は、パネル上部のチェックボックスで表示・非表示を切り替えられます。
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<span class="km_button">Full</span>ボタンを押すと、Full MSを含めた全体像が表示されます。リストをクリックした後はこの表示になります。
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<span class="km_button">Now</span> ボタンを押すと、MS/MSの質量範囲だけが表示されます。
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現在見ている質量範囲を固定したい場合は、Fix current axisにチェックをつけます。
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==== パネル操作 ====
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!左マウスボタン クリック
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|クリックした場所を中心に上下左右2倍にズームイン
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!左マウスボタン ドラッグ
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|範囲を選択してズームイン※
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!右マウスボタン クリック
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|クリックした場所を中心に上下左右2倍にズームアウト
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|-
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!右マウスボタン ドラッグ
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|範囲選択枠を表示※
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※範囲選択モードのときは、パネル上部に起点からのm/zの差が「delta m/z」として表示されます。フラグメント間のm/z差を簡易的に計測できます。
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== 対応づけがうまくゆかない場合 ==
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データのクロップなどを行っている場合などは、Full MSファイルとMS/MSファイルでスキャン番号の対応がつかず、うまく処理できないことがあります。MS/MSの対応付けは、なるべくクロップしないデータを用いて行ってください。
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PowerFTの入力フォーマットでは、FullMSスキャンに続くMS/MSスキャンは連続番号になるように定義されています。このため、たとえば1回のFull MSスキャンの次に3回のMS/MSスキャンがあるとすると、以下のようなスキャン番号付けになります。
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「何かおかしいな」と思ったら、リストを見て対応付けが正しく行われているかどうかご確認ください。

2013年1月17日 (木) 03:15時点における最新版

MS/MSデータの対応付け

目次

PowerFTの入力データフォーマットでは、得られたMS/MSスキャンのデータが、どのFullMSスキャンのどのイオンに由来したものであるかが記載されていません。MS/MS Preparationツールを用いてその対応付けを行います。


対応付けの方法

MS/MS Preparationツールの起動

メイン画面Analysisから、MS/MS Preparationを選択してください。MS/MS Viewウィンドウがひらきます。

ファイルの選択

ツールのFileメニューSelect Full MS Fileで、Full MSファイルを選択します。同様に、FileメニューSelect MS2 Fileで、MS/MSデータのファイルを選択します。

Full MSファイルとMS/MSファイルは、同じフォルダ(ホームディレクトリ)に入れておいてください。また、Full MSデータは内標補正をしていないデータをご使用ください。

対応付けの実行

ツールのRunメニューからStart Processing Nowを選択すると、対応付けの処理が始まります。

処理が終わると、ツール画面左のリストに数字が表示されます。また、もとのFull MSファイルあったフォルダに、MSMS.txtという名前の新たなファイルが作成されています。

データの確認

リスト中の表示は、次のことを示しています。

Full MSのスキャン番号 - MS/MSのスキャン番号 - 溶出時間(min)

リストの行をクリックすると、右のグラフにデータが表示されます。いくつか行をクリックしてみて、期待通りのデータであるかをご確認ください。

対応付けしたデータ

Full MS、MS/MSファイルと同じフォルダに、MSMS.txtというファイルが作成されています。このデータが、解析ステップ4で使用するデータです。

その他のツール機能

作成したMSMS.txtデータを開く

一度作成したMSMS.txtデータを開いて閲覧できます。操作手順としては新規作成と大差ありませんが、MSMS.txtファイルが上書きされないという利点があります。

操作は少し変則的です。まず、ツールのFileメニューのSelect Full MS Fileから、Full MSデータを選択してください。この後、FileメニューのOpen MS/MS Fileで、MSMS.txtファイルを選択してください。データが読み込まれます。

MS/MSデータを閲覧する

ツール画面右側にある、MS/MSデータの閲覧パネルについて解説します。ツール左にあるリストをクリックするとデータが表示されます。

表示の意味

デフォルトでは、Full MSとMS/MSが同時に描かれています。描画色は以下を示しています。

描画色 説明
灰色 Full MSデータ
緑色 Full MSデータのうち、MS/MSが取得された親イオンのマス
青色 MS/MSデータ
赤色 MS/MSデータのうち、強度の強いフラグメント※

※強度の強いフラグメントは、MS/MSフラグメントの強度(リニア値)で一標本のT検定を行った際に信頼区間x%以上のものを示しています。xは、パネル下部Conf. Int.のテキスト入力欄で指定できます。

グラフ中、緑色の四角()で示したものは、Full MSスキャンのイオンのうち、MS/MSデータにも強い強度で出現するイオンを示しています。これは、Full MSスキャン時のオートフラグメンテーション(スキャン時に分解したもの)と考えられます。

表示の切り替え

Full MSの表示、オートフラグメンテーションの候補は、パネル上部のチェックボックスで表示・非表示を切り替えられます。

Fullボタンを押すと、Full MSを含めた全体像が表示されます。リストをクリックした後はこの表示になります。

Now ボタンを押すと、MS/MSの質量範囲だけが表示されます。

現在見ている質量範囲を固定したい場合は、Fix current axisにチェックをつけます。

パネル操作

左マウスボタン クリック クリックした場所を中心に上下左右2倍にズームイン
左マウスボタン ドラッグ 範囲を選択してズームイン※
右マウスボタン クリック クリックした場所を中心に上下左右2倍にズームアウト
右マウスボタン ドラッグ 範囲選択枠を表示※

※範囲選択モードのときは、パネル上部に起点からのm/zの差が「delta m/z」として表示されます。フラグメント間のm/z差を簡易的に計測できます。

対応づけがうまくゆかない場合

データのクロップなどを行っている場合などは、Full MSファイルとMS/MSファイルでスキャン番号の対応がつかず、うまく処理できないことがあります。MS/MSの対応付けは、なるべくクロップしないデータを用いて行ってください。


PowerFTの入力フォーマットでは、FullMSスキャンに続くMS/MSスキャンは連続番号になるように定義されています。このため、たとえば1回のFull MSスキャンの次に3回のMS/MSスキャンがあるとすると、以下のようなスキャン番号付けになります。

1 - 2
1 - 3
1 - 4
5 - 6
5 - 7
...

「何かおかしいな」と思ったら、リストを見て対応付けが正しく行われているかどうかご確認ください。

個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ツールボックス