PowerGetは、クロマトグラフィー-精密質量分析データを解析するためのツールです。
本ツールは、これまでPowerSuiteと呼ばれていました。一般公開に伴い、PowerGetに改名しました。また、バッチ処理が可能となり、アダクト判定やアラインメント精度などが向上した後継バージョンPowerGetBatchも公開されています。
このツールが最適化されている実験装置は、ThermoFisher社の精密質量分析器フーリエ変換イオンサイクロトロン型質量分析装置(LTQ-FT)や、オービトラップ型質量分析装置(LTQ-Orbitrap)を、液体クロマトグラフィー(LC)に接続した機器構成です。ですが、入力データの形式やPowerGetのパラメーター調整を行うことで、Waters社のUPLC-Q-TOF-MS等、他の機器由来のデータにも利用することができます。分析の生データは、MassBaseデータベース等からも入手することができます。
PowerGetは、PowerFTとPowerMatchという、二つのモジュールから構成されており、それぞれ以下の機能を提供しています。
個々のクロマトグラフィー-精密質量分析のデータから、ピークを検出して特徴付けを行うモジュールです。
PowerFTで解析した複数のサンプルデータを読み込んで、サンプル間でのピークのアラインメントを行うモジュールです。
ピークのアラインメントとは、異なるサンプル間で、同一の化合物と予想されるピーク同士を対応付けることです。アラインメントをすることで、サンプル間でのメタボロームの比較解析がはじめて可能となります。また、繰り返し分析したデータをアラインメントすることで、再現性の高いピーク がどれかを判別することができます。繰り返し分析により、ピークの質量値の精度やMS/MSフラグメントの再現性が上がり、化合物の推定(アノテーション)がしやすくなります。
PowerGet 3.5.8 (4.66 MB)
サンプルデータ (344 MB)
コスモスの花(3連)、葉(3連)、モック(3連)のアラインメント結果です。PowerMatchで読み込むことが可能です。
上記をクリックした後、ダウンロードが開始されるまで数秒~数十秒かかります。しばらくそのままお待ちください。
PowerGetの動作には、Java ランタイム環境(1.6以上)がセットアップされた以下のWindows OSが必要です。
OS: Windows XP / Vista / 7 (32 bit, 64 bit)
PowerGetについて論文等に記載される場合は、以下の論文またはURLをご利用ください。
Sakurai N, Ara T, Enomoto M, Motegi T, Morishita Y, Kurabayashi A, Iijima Y, Ogata Y, Nakajima D, Suzuki H, and Shibata D (2014)
Tools and Databases of the KOMICS web portal for preprocessing, mining, and dissemination of metabolomics data.
BioMed Research International, 2014: 194812
英語サイト: http://www.kazusa.or.jp/komics/software/PowerGet
日本語サイト:http://www.kazusa.or.jp/komics/software/PowerGet/ja/
※必ず上記のURLをご使用ください。ブラウザのアドレスバーに現在表示されているURLは変更されることがあるため、使用しないでください。
こちらまでメールでお寄せください。
櫻井 望, E-mail: sakurai AT kazusa.or.jp (ATは半角の@に直してください)
本ソフトウェアはアカデミックフリーです。商用利用は認めておりません。