KOMICS

The Kazusa Metabolomics Portal

 

MassChroViewer

LC-MSデータを2次元のクロマトグラムとして表示するビューワーです。Googleマップと同様の操作で、拡大・縮小・濃さ調節が可能です。化合物のマニュアルアノテーションにも利用できます。

質量分析器の質量精度が向上し、化合物推定のアルゴリズム等も進展きていますが、得られたLC-MSのデータや、ピーク情報の抽出結果などが、十分な品質であるかどうかは、意外にも評価されずに済まされていることが多いものです。多くのベンダーソフトに付属しているエリューションプロファイルやマススペクトルの確認ツールでは、断片的な情報しか確認できないことが、この大きな要因と言えます。クロマトグラム全体を、溶出時間とm/z値を軸にした二次元で表す表現は、一覧性が高く、取得したデータの品質を確認するのに適しており、2D表示ができるフリーのツールもいくつか存在します。しかし、十分な質量精度がでるようにチューニングされているかどうか、キャリーオーバーがないかどうか、ピークが取りこぼしなく抽出できているかどうか、アダクトが正しく判定されているかどうか、MS/MSスペクトルが多くのピークについて十分な品質で取得できているかどうかなど、メタボロームで必要とされる品質を確認できるようなツールはありません。MassChroViewerは、このような基礎的な確認を簡便な操作で行えることで、より品質の高いメタボロームデータの生産に貢献することを目指したツールです。生データから直接得たm/zから、化合物データベースを検索するMFSearcher機能や、候補化合物の構造式を表示して、選択した部分構造の質量値を確認するFragment Calculator機能、そのピークのMS/MSフラグメントをすぐに閲覧できるMS2Viewer機能などと連携しているため、手作業によるアノテーションツールとしても使うことができます。

入力ファイルとして、ProteoWizardソフトなどでmzXML形式またはmzML形式に変換した、各LC-MSベンダーの生データを開くことができます。ピークリストとしては、PowerGetなど別のデータ解析ソフトウェアなどを用いて作成された、質量電荷比(m/z)と溶出時間(RT)が記載されたテキストファイルを読み込むことができます。

※MassChroViewerには、ピーク検出機能はついておりません。また、大量のデータのクオリティーコントロールを自動的に行うためのツールではありません。

 

URL表記:

MassChroViewerのURLを論文等に記載する際は、必ず下記のURLをご利用ください。

OK: http://www.kazusa.or.jp/komics/software/MassChroViewer

今ご覧のページのURL(例:下記)は、将来変更される可能性がありますので、ご使用にならないでください。

NG: http://www.kazusa.or.jp/komics/ja/tool-ja/223-masschroviewer-2.html

動作環境:

Java実行環境(JRE 64 bit, version 1.7 or later)がインストールされたPC (64 bit, > RAM 4GB以上推奨)が必要です。Javaのインストールについては、オラクルのウェブサイト をご覧下さい。

以下の環境で動作テストをしています:
Windows10, MacOSX 10.9.5 and CentOS7.2 Linux

ダウンロード:

MassChroViewer_1.6.1.zip (zip compressed: 26.7 MB, 2018年11月9日アップデート)

マニュアル:

MassChroViewer_manual_en.pdf (English 2.07 MB)

MassChroViewer_manual_ja.pdf (Japanese 2.29 MB)

サンプルデータ:

クロマトグラムとピークリストのサンプルデータです。サンプルの詳細情報は、Metabolonoteウェブサイトでご覧になれます。ベンダーソフトが出力した生データ(バイナリーデータ)はMassBaseデータベースで入手できます。

NameDescriptionMetabolonote IDMassBase IDダウンロード
S1_Cont_HRes_DX_ms2.zip パセリ地上部、LC-FT-ICR-MS、ESI positive分析、高分解能 (100,000)、Dynamic Exclusion設定あり。MS2を網羅的に取得することを目的とした分析。 SE61_S21_M011 MDLC1_48041 ダウンロード (35.4 MB)
S2_Cont_LRes_DX_ms2-3.zip パセリ地上部、LC-FT-ICR-MS、ESI positive分析、低分解能 (125,000)、Dynamic Exclusion設定あり。MS2とMS3を網羅的に取得することを目的とした分析。 SE61_S21_M015 MDLC1_47225 ダウンロード (16.0 MB)
S3_15N_HRes_noDX_ms2.zip 15N標識したパセリ地上部、LC-FT-ICR-MS、ESI positive分析、高分解能 (100,000)、Dynamic Exclusion設定あり。MS2を網羅的に取得することを目的とした分析。 SE61_S22_M014 MDLC1_48043 ダウンロード (37.4 MB)
S4_mock_HRes_DX_ms2.zip サンプルを入れずにS1_Cont_HRes_DX_ms2と同様の操作・分析を行ったMockコントロール。 SE61_S02_M01 MDLC1_47219 ダウンロード (25.3 MB)
S1_peakLists.zip ピークリストのサンプル。S1_Cont_HRes_DX_ms2のデータを使い、PowerGetソフトでピーク検出を行った結果が、MassChroViewerで読み込める3つの形式で保存してあります。 SE61_S21_M011_D1   ダウンロード (1.02 MB)

JChemPaintMs.jar Library:

Fragment Calculator機能使われている、JChemPaintMs.jarライブラリーはthe GNU Lesser General Public License, Version 2.1でライセンスされているオープンソースソフトウェアです。このライブラリーには、JChemPaint (http://svn.code.sf.net/p/cdk/svn/jchempaint/, revision 15623で入手可能) のソースコードが利用されています。JChemPaintMs.jarのソースコードはjarファイル中に含まれています。

JChemPaintMs_0.2.1.zip (zip compressed: 18.7 MB)

flavonoidsearch.jar Library:

FlavonoidSearch GUIツールで使われている、flavonoidsearch.jarライブラリーはthe GNU Lesser General Public License, Version 2.1でライセンスされているオープンソースソフトウェアです。

論文公開:

Sakurai N and Shibata (2017) Tools and databases for an integrated metabolite annotation environment for liquid chromatography–mass spectrometry–based untargeted metabolomics. Carotenoid Science 22: 16-22

ライセンス:

MassChroViewerは、学術目的でフリーにご利用になれます。

 

バージョン履歴:

1.6.1
2018年11月9日
・開いたクロマトファイルを再構築するプロジェクト保存機能をつけた。
・MS2Viewerのスペクトルのコピー/出力機能を強化した。
 MS-FINDERのmat形式でのファイル出力もできるようになった。
・MSGet形式のファイルの読みこみで、空白行があるとエラーになっていたので、
 無視するように修正した。
 
1.5.1
2017年12月2日
・クロマト描画の色強度のデフォルト値を変更
 最初に開いたデータのイオンの最大値の1/10を基準にすることにした。
・MS2Viewerの色のデフォルト値も上記同様に変更した。
・デフォルトの描画ウェイトを変更した。
・MS2Viewerでデフォルトのロードカットオフ値を変更した。

1.5.0
2017年11月29日
・ツールバーをつけた。
・2Dウィンドウの整列をできるようにした。

1.4.0
2017年11月2日
・mzMLへ対応
・新しいバージョンがあったときに通知が出るようにした。
・HMDBのIDの桁数が変わったので対応した。
・MFSearcherのProxy設定への対応が不完全だったのを直した。

1.3.2
2017年5月16日
・FlavonoidSearchGUI (FsTool)を連携させた。
・HMDBからmolファイルを取り込めなくなっていたので、修正。
 配布されるURLが若干変更になったようだ。

1.2.4
2017年1月16日
・GraphPanelを修正して、Mac, Linuxに対応させた。
・MS2Viewerで、スペクトルのテーブルを、デフォルトで強度の降順にした。
・MS2Viewerで、クリックによるプリカーサーの選択をしやすくした。

1.2.2
2017年1月9日
・マニュアルをつけた。リリースバージョン。

1.0.0
2016年12月25日
・インターフェースの配置を一新。
・任意のピークをピックアップ&削除できるようにした。

0.10.1
2016年12月23日
・マウスホイールでの拡大縮小の方向を、google mapなどに合わせて、
 手前回転=縮小に変更した。
・CheckFileとしてTogoMDフォーマットのpeak-tableファイルを開けるようにした。
・CheckFileとして、RTとmassがタブ区切りで書かれたファイルを開けるようにした。

0.10.0
2016年12月6日
・ProteoWizardの新しいバージョンのデータでも開けるようになった。
 JRAPではなく自作のmzXMLパーサーにしたため。動作も速くなった。

0.9.2
2016年8月3日
・CheckFileのテーブルで、ID, RT, Massで絞り込み検索できるようにした。
・Memoryを押した瞬間にCheckFileが上書きされる仕様を、上書きされないように変更した。
・開いたCheckFileの名前を表示するようにした。やっと。

0.9.1
2015年11月21日
・MFSearcherの機能を強化。構造が同じ化合物ひとまとめにするUC2検索機能をつけた。
・構造式が見られる範囲を拡大。KEGG, KNApSAcK, FlavonoidViewerに加え、
 HMDB, LipidMAPS, PubChemに対応。UNPD以外は見られる。

0.9.0
2015年11月17日
・ユーザーがルーラーを設定できるようにした。
・スペックの低いマシンでも高速での作業がやりやすいように、
 データの読みこみ時の足切り、描画時の足切り、描画ウェイト時間を設定できるようにした。
・変更した色の濃度を全てデフォルトに戻せる機能を付けた。
 
0.8.0
2015年4月4日
・Cキーでチェックのオンオフ、VキーでValidのオンオフをするようにした。
・CheckFileがないときダブルクリックでルーラー原点設定。