相同組換えを介したイネ・Waxy 遺伝子のターゲティング
これまで、植物の遺伝子導入では、非相同組換えによる末端結合によって、遺伝子のランダムな位置への導入が行われてきたが、相同組換えの機構を利用することで特定の遺伝子のみを任意に改変する手法を遺伝子ターゲティングと呼ぶ。本課題ではイネのWaxy 遺伝子をターゲティング改変することに世界で初めて成功した。
A:野生型Waxy 遺伝子領域の構造。B:Waxy改変用のターゲティング・ベクターの構造。C:相同組換えによりターゲットされたwaxy 遺伝子領域の構造。ATG上流に転写終止領域(ST)がハイグロマイシン耐性遺伝子(hpt)とともに導入されるため、Waxy(ウルチ型)がwaxy(モチ型)となる。D:1対のWaxy 遺伝子の片方がターゲットされたイネの葯中に1:1で含まれるウルチ性とモチ性の花粉。E:Waxy 遺伝形質の次世代での分離。ヨード染色によりウルチ米は濃く、モチ米は薄く染まる。