
橋本 隆 (奈良先端大・バイオ)
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「植物の左右性と表層微小管の配向制御」
アサガオのつる、ヘチマの巻ヒゲ、ある種の樹木の幹などはらせんを描いて伸長しますが、巻きの方向は遺伝的に決まっています。本研究では巻きの左右性を決定する遺伝子群をアラビドプシスのねじれ変異株からクローニングし、植物細胞の伸長方向を決める表層微小管の配向制御の分子機構を明らかにしてゆきます(図参照)。左巻きが右巻きに対し優勢です。これまでに、右巻き変異株から2つの原因遺伝子をクローニングし、これらは植物特異的な新規微小管結合タンパク質をコードしていました。左巻き変異株からも8つの原因遺伝子がクローニングされ、これらは微小管の構成成分であるチューブリンの変異でした。我々は表層微小管の配向制御のモデルを提唱し、ねじれ遺伝子群の機能を解析しています。
図 ねじれ変異株の表現形。ねじれ変異株はねじれの方向性により右巻き変異株(spiralシリーズ)と左巻き変異株(leftyシリーズ)に分類される。ねじれ変異株は根(上カラム)、胚軸、葉柄、花茎、花弁(下カラム)などの伸長する組織・器官の内部細胞が横方向に肥大し、表皮細胞が一定の方向に傾く。