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研究成果

ヒト白血病の再発は、ゆっくり分裂する白血病幹細胞が原因

抗がん剤に抵抗性を示す白血病の新しい治療戦略にむけた第一歩

2007年10月22日

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、ヒト急性白血病の幹細胞を用いてマウスに病態を再現することに成功し、細胞周期のゆっくりとした白血病幹細胞が白血病を形成していき、この幹細胞の抗がん剤耐性が白血病再発の原因となることを突き止めました。これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)ヒト疾患モデル研究ユニットの石川文彦ユニットリーダーと、九州大学医学部附属病院、米国ジャクソン研究所、かずさディー・エヌ・エー研究所、虎の門病院、Carl Zeiss(カール・ツァイス)社、Becton Dickinson(べクトン・ディッキンソン)社との共同研究による研究成果です。

 この研究成果を利用すると、患者の白血病細胞に、どの抗がん剤がどの程度効くかを実験的に調べることが可能になります。また、マウスの中で患者の白血病細胞を増やし、創薬に利用するなどの応用が期待できます。本研究で得られた成果は、白血病幹細胞を有効に死滅させる新規治療法の確立に向けた、第一歩となります。

 本研究の成果は、米国の科学雑誌『Nature Biotechnology』オンライン版(10月21日付け:日本時間10月22日)に掲載されます。