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研究成果

ダイズ根粒菌ゲノムの完全解読について

食用マメ類の共生菌としては世界初

2003年1月28日
ダイズ根粒菌

 かずさDNA研究所は、ダイズの根に共生して窒素固定を行うバクテリア「ダイズ根粒菌」(Bradyrhizobium japonicum・ブラディリゾビウム ジャポニカム)の全ゲノムの解読を完了した。

 食用マメ類の共生菌としては世界初の成果で、ゲノムの大きさや遺伝子数は、これまで解読された根粒菌の中で最も大きく(9,105,828塩基対、8,317遺伝子)、単一染色体の大きさとしても、これまで解読されたバクテリアの中で最大のものである。

 根粒菌ゲノムの解読としては、かずさDNA研究所によるミヤコグサ根粒菌(2000年)、欧米加の共同プロジェクトによるアルファルファ根粒菌(2001年)に続く3種類目のものである。

 ダイズは、世界的にも重要なタンパク源、油脂資源として、今世紀に予想される人口の増加を支える作物として期待されており、世界中で研究されている。

 今回、ダイズ根粒菌の全ゲノム解読を通じて全遺伝子が明らかになり、機能の解明が進むことで、将来、窒素固定能の改善による収穫量の向上やマメ科以外の植物に応用することで、少ない窒素肥料で収穫量の向上が図られることが期待される。

 また、河川や地下水汚染の防止、荒地の緑化推進等、農業のみならず環境問題への貢献も期待される。 なお、この研究成果は、かずさDNA研究所が発刊している「DNA リサーチ」で世界に向けて公表される。

ダイズ根粒菌ゲノムの完全解読について