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産学官連携  

第1回メタボロームアノテーション講習会を開催いたしました。

 かずさDNA研究所のメタボロミクスチームでは、食品や生体など、様々な試料に含まれる成分を網羅的に分析する技術(メタボローム解析技術)の開発や、その技術を使った共同研究を行っています。

 このたび、共同研究を行っている機関の研究者を対象として、成分を同定するためのデータ解析講習会(メタボロームアノテーション講習会)を開催しました。

 液体クロマトグラフィー-質量分析装置(LC-MS)を用いたメタボローム解析では、LC-MSの生データ(マスクロマトグラム)を専用のソフトウエアで自動処理すると、資料に含まれる成分の候補リストが得られます。その後、様々な角度から生データを詳しく評価することによって、各成分の候補をさらに絞り込んだり、候補が得られなかった未知成分の分子構造を推定したりすることが可能になります。

 データを詳しく解釈する作業をアノテーションと呼びますが、アノテーションには、LC-MSのデータ特性に関する基礎知識や、ソフトウエア(可視化ツール)の使い方の習得が必要なため、成分候補リストを手にしても、それ以降の解析をなかなか進められないという声が共同研究先などからあがっていました。

 そこで、メタボロミクスチームが開発している可視化ツールMassChroViewerで、実際に研究者が解析している生データを解析することにより、具体的なアノテーション方法を実習する講習会を企画しました。

 それぞれの研究者のお悩みの内容に応じて個別に掘り下げてゆくため、少人数での開催となりました。LC-MSのデータに初めて触れる方にとってはやや難しい内容も含まれていたかと思いますが、ご参加なさった方それぞれの理解が深まり、より良くメタボロームデータを活かすための一助となったのではないかと思います。

 多くの方がLC-MSのデータから最大限の情報を抽出し、生物の代謝研究や機能性成分の探索などに役立てられるよう、今後も講習会などを通じて、アノテーション技術の普及を進めて行く予定です。