テーマ 30高等生物の細胞は共生により染色体を取り込んでいます

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イヴァン・ワーリンが、ミトコンドリアと葉緑体がかつて自由生活生物であったという彼のアイデアを示します。

イヴァン・ワーリンです。1920年代に、顕微鏡を見ているときに、動物細胞の中に、ある構造物を発見しました。それらは細胞内小器官と呼ばれていますが、まるで細菌の細胞のように見えました。私はこれらの細胞内小器官は、昔は独立して生きていた細菌だと提唱しました。 まずは、顕微鏡で見える細胞の中の世界をお見せしましょう。細胞は2つのグループに分類されます。 細菌のような下等な細胞は、およそ35億年前から進化し、構造物としての核(細胞核)を持ちません。それゆえ、それらは原核生物(“核のできる前”)と呼ばれています。 [原核細胞:大腸菌] 高等な細胞、全ての植物と動物、そして菌類の細胞は、約27億年前に原核生物から進化し、特別な膜で囲まれた核を持っています。これらは真核生物(“真の核”)と呼ばれています。また、これらはずっと大きいことを覚えておいてください。 [真核生物の一部] [核] [核膜] 真核生物の細胞は、核だけでなく、それぞれ特別な役割を持った様々な細胞内小器官を持っています。例えば、小胞体とゴルジ体は、タンパク質合成とタンパク質の輸送に関わっています。 [ゴルジ体] [小胞体] 他の2つの細胞内小器官、ミトコンドリアと葉緑体の起源について、特に興味を持ちました。これらは細菌に似ていたからです。それでは、ミトコンドリアに注目してみましょう。 [ミトコンドリア] ミトコンドリアは全ての真核生物の細胞に見られ、食物から呼吸というプロセスでエネルギーを作り出し、そのエネルギーをATP分子の形で蓄積します。 [グルコース(食物)+酸素] [エネルギー(ATP)+二酸化炭素+水] [ミトコンドリア] それからATPは全ての細胞活動に必要な動力を提供するために、ミトコンドリアから運びだされます。 同様に、葉緑体は緑色植物の細胞だけに見られますが、太陽光からエネルギーを取り出し、食物を作り出します。このプロセスを光合成といいます。 [葉緑体] [エネルギー(太陽光)+二酸化炭素+水] [グルコース(食物)+酸素] 19世紀の顕微鏡学者が、植物の葉緑体と、クロレラのような単細胞の藻が、驚くほど似ているのに最初に気がつきました。 [葉緑体] [クロレラ] 彼らは、植物細胞の原核生物の祖先が、光合成をする藻を取り込んだけれど、消化しなかったのだと考えました。これが、藻が光合成を通して食物を提供し、一方でより大きな細胞が保護するという共生関係を成立させました。 これに似た現存する共生関係が、ミドリゾウリムシに見られます。クロレラを細胞内に生きたまま取り込み(共生)、緑色をしています。 [クロレラ] 私は、ミトコンドリアが真核生物の祖先と細菌の間の細胞内共生でできたと提唱しました。 しかし、ミトコンドリアを単離し生育させることができるという私の研究室内での主張は後に否定され、私の仮説は無視されました。 1967年、リン・マーギュリスが、この考えを復活させました。そしてDNAの世界の発見により、ミトコンドリアと葉緑体はいずれも、かつては独立に生きていた生物であったという新しい証拠がもたらされました。植物と動物細胞の両方にあるミトコンドリアに注目しましょう。 独立に生きる生物として、ミトコンドリアは、いまだに自分の染色体を持ち、細胞内で独立して複製しています。 更に、細胞は自分たちでミトコンドリアを作り出すことができません。もし実験的にミトコンドリアを細胞から取り除いたら、娘細胞はミトコンドリアを持つことはありません。 [抽出されたミトコンドリア] [ミトコンドリアのない娘細胞] ミトコンドリアの染色体は、細菌に似た多くの特徴を持っています。ひとつに、それらは環状の分子です。ヒトのミトコンドリアの染色体は、わずか16,549塩基対の長さしかありません。これは、プラスミドと呼ばれる、細菌にある小さい環状DNAと比べても、それほど大きなものではありません。 [ミトコンドリアの染色体] [16,549塩基対] [pBLU] [5,437塩基対] [DNAプラスミド] 2つ目に、ミトコンドリアの染色体は、遺伝子が密に詰まっていて、遺伝子と遺伝子の間に、長い遺伝子間領域のある核の染色体とは違います。ヒトのミトコンドリアには、非コード領域がたったひとつしかありません。 [非コード領域] [遺伝子] [核の5番染色体] [ミトコンドリア] 3つ目に、ほとんどのミトコンドリアの遺伝子は、核にある遺伝子の非コード情報であるイントロンがありません。 [遺伝子] [イントロンのある遺伝子] [非コード領域] [核の5番染色体] [イントロンのない遺伝子] [ミトコンドリアの染色体] ヒトのミトコンドリアのゲノムは、たった37個の遺伝子しかコードしていませんが、それらは酸化的リン酸化、つまり、ATPにエネルギーを貯える過程に関与しています。 [ミトコンドリアの遺伝子] [ミトコンドリアの染色体] ヒトのミトコンドリアの染色体は、他の真核生物のミトコンドリアと同じく、進化の過程で非常に小さくなりました。独立生活をしていたミトコンドリアの祖先は、おそらくリケッチアと似ていて、少なくとも850個の遺伝子を持っていたに違いありません。時間とともに、宿主が提供することのできる遺伝子と同じ機能を持った遺伝子が失われていきました。 [850遺伝子] [ミトコンドリア] [染色体] [核] また、呼吸に必要な遺伝子の一部は、核に移っていきました。何百万年もの進化的な時間をかけて縮小化が進み、ヒトや他の真核生物に見られるような、小さなミトコンドリアの染色体ができました。 [ミトコンドリア] [染色体] [核] [37遺伝子]

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生物によっては、細菌との共生関係は欠かせないものです。たとえば、ウシは、腸にセルロースを分解する細菌がいないと生きていけません。

Hmmm...

共生の利点と欠点はなんでしょう?