テーマ 20DNAのはしごは全体をコピーするための鋳型となります

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マシュー・メセルソンとフランクリン・スタールが、どのようにして新しいDNAが古いDNAからコピーされるかを示します。

マシュー・メセルソンです。 フランク・スタールです。 私たちは、新しいDNAの2本鎖は古いものからコピーされてできることを示しました。 新しいDNAの2本鎖は細胞が分裂するときに作られるはずです。それぞれの娘細胞は親の細胞のDNAの正確なコピーを受け継がなくてはなりません。 ワトソンとクリックは、複製時にはDNAの2本鎖が分離し、それぞれの鎖は新しい相補的な鎖を合成するための鋳型となると推定しました。これは半保存的複製と呼ばれます。それぞれの娘2本鎖は親分子由来の1本の“古い”鎖と新しく合成された1本の新しい鎖からできるからです。 1958年に、私たちはこのモデルを支持する結果を発表しました。ご覧のように、私たちの実験では、窒素同位体と遠心分離による“密度勾配”をうまく使いました。 最初に大腸菌を窒素原子の重い同位体である15Nを含んだ培養液で増やしました。大腸菌が育ち、分裂するたびに15NがDNAの窒素塩基のそれぞれ、すなわち、A、 C、G、Tに取り込まれました。 この15Nで標識をつけた大腸菌の一部を後の分析のために取っておきました。 [チューブ#1] 残りの培養液はふつうの窒素、14Nを含む新しい培養液に移しました。14Nは15N同位体よりも軽いです。こうすると14Nだけが、これから先、大腸菌が増えるときのDNA合成で使われました。 それから、細菌の集団が2倍になるたびに、サンプルを14 N培養液から取り出しました。 [チューブ#2]・・・ 比較するために、私たちは14Nだけで増やした3番目の大腸菌を準備しました。 次に、それぞれの培養液の大腸菌DNAの窒素組成を調べました。調べるために、私たちは大腸菌の培養液からDNAを単離し、濃い塩溶液で溶かしました。 [塩溶液中のDNA] それからそのDNA溶液を非常に高速で遠心分離しました。遠心力により、多くの塩の分子は試験管の底に引っ張られ、上に行くほど分子は少なくなります。試験管のどの部分でも、塩の分子の数が多いほど、溶液の塩濃度は高くなります。 私たちは15Nを含んだDNA分子は塩勾配の中で14Nを含んだDNA 分子よりも先に“沈む”と期待しました。15Nと14Nの培養液を入れた試験管で私たちが見たものは、まさしくその通りのものでした。 15Nで最初に培養し、14Nに変えた培養液から取ったサンプルが決定的な試験管でした。2倍になった大腸菌集団(とDNA分子)からとったサンプル#2では、私たちが見たDNAバンドは、15Nと14Nのバンドのちょうど中間でした。 次の2倍になる時点で取ったサンプル#3には、2本のDNAバンドがありました。1つは14Nバンドとまったく同じ、もうひとつは真ん中の位置でした。 これらのデータは、DNAの半保存的複製モデルから予測される結果と完全に一致しました。もっとも重いDNA分子はサンプル#1に見られました。DNA分子の両方の鎖が重い15Nを取り込んだからです。 もっとも軽いDNA分子はサンプル#4に見られました。思い出してください。サンプル#4のDNAは、14Nしか含んでいません。細菌は14Nで培養されたからです。 サンプル#2では、DNA分子は中間の密度のバンドとして集まります。細菌の培養液が15Nから14Nに変わった時、新しいDNA分子は全て14Nを使うはずです。親の2本の重い15Nの鎖(赤)は分離して、新しいDNA鎖に14Nを取りこませるための鋳型となります。このように全てのDNAは1本の重い15N(赤)と1本の軽い14N(黒)鎖の混成物となります。 サンプル#3は、更に追加の複製過程を経たもので、遠心チューブには、2本の異なるバンドがありました。この場合では、それぞれの混成分子(赤と黒)が1本の重い鎖(赤)と1本の軽い鎖(黒)に分かれます。重い親の鎖(赤)は新たな軽い相補的な鎖(黒)を作る鋳型となり、別の混成分子(赤と黒)を作ります。 軽い親の鎖(黒)もまた、新たな軽いヌクレオチド(黒)を取り込む(鎖を作る)鋳型となります。しかし、今回できるのは2本の軽い鎖(黒と黒)です。したがって、中間の密度のDNAと軽い密度のDNAが遠心チューブの2本の異なったバンドとして現れるのです。 この結果を発表した時、私たちはどのようにDNA が複製するのかの詳細は知りませんでした。ただ、ワトソンとクリックのDNAは半保存的に複製するという予測が正しいことは明らかになりました。 アーサー・コーンバーグです。メセルソンとスタールが彼らの実験を行っている間、私はDNA合成酵素というDNAを合成する酵素を単離していました。私はDNAを複製する無細胞系を作りました。 私は大腸菌からDNA合成酵素を抽出しました。そしてそれをDNA分子と4つのデオキシヌクレオチドを含んだ塩溶液に加えました。どのように新しいDNA分子が作られるのか観察する“印”にするために、放射性標識したチミンを加えました。 [DNA合成酵素] [チューブにカーソルを合わせて中を見る] [放射活性のあるチミン][DNA] [シトシン][アデニン][グアニン][ DNA合成酵素] これらの構成要素を体温と同じの温度でインキュベートすると、放射性標識したチミンは長いポリヌクレオチドの中に現れました。このことは、DNA合成酵素が、新しいDNA鎖を作るときに利用できる鋳型を使って、放射性標識したチミンを他のヌクレオチドと一緒に取り込んだことを意味していたのです。 私はまた、複製は、4種類のヌクレオチド全てが揃ったときにだけ起こることを発見しました。ひとつでも欠けると、ポリヌクレオチド鎖は合成されません。 [アデニン無し] [DNA複製無し] DNA合成酵素はまた鋳型として働く、無傷のDNAを必要としました。鋳型のDNAを断片化するDNA分解酵素を加えると、ポリヌクレオチドの産生は止まります。 [ DNA分解酵素] [ DNA合成酵素] [DNA断片] そう、ワトソンとクリックが予測したように、DNAは自分自身を複製するための鋳型として使われているのです。DNA合成酵素はそれをひき起こす酵素なのです。 後に、私たちは細胞には1種類ではなく3種類のDNA合成酵素があることを発見しました!私が最初に見つけたのはDNA合成酵素Iで、これは主にDNAの修復に使われていて、DNAの複製には使われていませんでした。私の息子のトムが単離したDNA合成酵素IIIが大腸菌におけるDNA複製の主要な酵素です。

factoid Did you know ?

多くの科学者がメセルソンとスタールの結果を、論文が発表される何ヶ月も前に知っていました。指導教官のマックス・デルブリュックは、彼らが論文を書き上げるまで、メセルソンとスタールを2つの寝袋と2台のタイプライターと共に部屋に閉じ込めました。

Hmmm...

コイル状のDNA鎖は、DNA合成酵素が働くようにするため、どのように分離するのでしょうか?