テーマ 18細菌やウイルスも DNA を持っています

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ジョシュア・レーダーバーグは、細菌の遺伝学を研究し、アルフレッド・ハーシーはDNAが細胞内で新しいウイルスの複製に関与することを示しました。

こんにちは、私はジョシュア・レーダーバーグです。私が、1945年にDNAの形質転換能力に関するアベリーの論文を読んだときには、エドワード・テータム研究室の大学院生でした。私は、その可能性に大変興奮しました。どのようにしてDNAは細菌から細菌に移動するのでしょうか? [細菌] ひとつの可能性は、細菌が接合して物理的にDNAを交換する、すなわち、細菌の性のようなものがあるということです。私の指導教官であるエドワード・テータムは、“一遺伝子、一酵素”現象を更に研究するために、大腸菌(E. coli)に変異を入れました。 アカパンカビのように、大腸菌は通常、必要な栄養素を全て合成することができます。例えば、大腸菌はビタミンのビオチン(BIO)と同じように、アミノ酸のメチオニン(MET)、プロリン(PRO)、やスレオニン(THR)のような必須栄養素の前駆体分子に結合して変換する酵素を持っています。 [通常][前駆体] テータムが作った変異体は、これらの栄養素のいくつかを合成することができませんでした。例えば、変異体#1は、アミノ酸のメチオニン(MET)やビタミンのビオチン(BIO)の合成をできなくする2つの遺伝子変異(met-とbio-)を持ちます。この変異体は、他の全てのアミノ酸やビタミンを作る作ることができました。 [X線] [変異体#1] [MET合成無し][BIO合成無し] 一方、変異体#2は、アミノ酸のプロリン(PRO)やスレオニン(THR)の合成をできなくする2つの遺伝子変異(pro-とthr-)を持ちます。この変異体は、他の全てのアミノ酸やビタミンを作る作ることができました。 [X線] [変異体#2] [Pro合成無し][ THR合成無し] これらの変異株は、正しいサプリメントを培地に加えれば、寒天プレートの上で増殖することができます。 [サプリメント] もちろん、私たちが1個の細菌を見るためには顕微鏡が必要ですが、寒天プレート上で、私たちが“見て”いるのは、細菌のコロニーです。それぞれのコロニーは複数回分裂するひとつの細菌の細胞から始まるので、それぞれのコロニーは数千もの遺伝学的に同一な細菌を含みます。 [細菌のコロニー] 変異体#1は変異体#2が必要なものを作ることができ、逆もまた同様なので、私は、これら2つの変異体を遺伝子交換のテストに使いました。最初に、2つの変異株を混ぜて、全てのサプリメントを含む培地で育てました。 何度か2つの株を一緒に増殖させた後で、それらをサプリメントのない培養プレートの上に播き、一晩培養しました。播き方によってそれぞれの細菌の細胞を分離します。そのため、生き延びる細胞は全ての栄養素を作るために必要な全ての遺伝子を持っていなくてはなりません。生き残ったものは増殖し、私はそれらをプレートの上で目に見えるコロニーとして調べます。 願い通りに、プレートを試した翌朝に、私はサプリメントを加えていないプレートの上に2-3個のコロニーが生育しているのを見ました。 このサプリメントを加えていないプレートの上で細菌が増殖できる唯一の方法は、ひとつの変異体がその遺伝子のコピーを他に“提供”したかどうかです。私は、フラスコの中で一緒に増殖した1000万の細菌におよそひとつの割合でこの交換が起こることを計算しました。私は、この遺伝子交換の過程を接合と名づけ、細菌同士が直接接触することにより起こると確信しました。 後に、ウィリアム・ヘイズは、接合はいつも細菌の性のような、異なる“接合型”の細菌間に起こることを見いだしました。最初に、ひとつの橋(線毛)が2つの細菌につながります。そして、遺伝子は、線毛を通して、“+”接合型から“-”接合型に動きます。 [細菌][線毛] 遺伝子導入は、ミキサーで細菌の培養液を振動させることにより中断させることができます。この撹拌は、接合対を結びつける線毛を壊します。 接合を中断させるまでの時間を長くすると、より多くの遺伝子が移動しました。いくつかの遺伝子の順番は、この方法を用いて決められました。 これらの実験は、植物や動物のように、細菌が接合して遺伝子を交換することを明らかにしました。このことは研究者に細菌を高等生物における遺伝子機能研究のモデルとして、使うことができることを確信させました。 こんにちは、私は、アルフレッド・ハーシーです。レーダーバーグが細菌の遺伝学を研究しているときに、私たちコールド・スプリング・ハーバー研究所のグループは、バクテリオファージの遺伝学を研究していました。バクテリオファージ、縮めてファージは、細菌に特異的に攻撃して感染するウイルスです。 [T4バクテリオファージ] 私たちは、ファージが外側の殻タンパク質と、DNAの内核を持っていることを知っていました。 [外側の殻タンパク質][ファージ] ファージの増殖は細菌に依存します。私たちは、電子顕微鏡写真から、ファージが感染するときに、その尾部で細菌に付着することを知っていました。私たちは、付着後に遺伝子が細菌の宿主に注入されて、細菌の酵素が新しいファージ粒子を複製すると仮定しました。 私たちは、細菌をファージ製造工場へ “形質転換”する原因は何なのかを正確に決めようと決心しました。アベリーの研究によって示されたように、ファージDNAは“形質転換因子”なのだろうか?1952年に、同僚であるマーサ・チェイスと私は、これらのアイデアをテストすることに決めました。 以前の化学的な解析から、私たちは、DNAがリン(P)の原子に富んでいて、硫黄(S)を持たないことを知っていました。逆に、タンパク質は硫黄原子を含み、リンを持ちません。 このことを知っていたので、私たちは、ファージのDNAとタンパク質を選択的に標識するために、放射性リン(P)もしくは硫黄(S)を使いました。そして私たちは、感染でどちらの成分が細菌に入るかテストする実験を考案しました。 [放射性標識されたファージ] 2つの並行した実験で、私たちは放射性標識されたファージを標識されていない細菌と混ぜました。私たちは、ファージが付着するのに十分な時間を待ち、そしてワーリング・ブレンダーで培地を撹拌することでその付着を破壊しました。 [細菌宿主] [ワーリング・ブレンダー] 次に、私たちは、ファージを細菌から分離するために、遠心機でサンプルを回転させました。細菌は、ファージより大きくて重いので、ファージが上清に浮遊している一方で、細菌は試験管の底にペレットとして集まります。 [上清][ペレット] それでは、最初に35Sサンプルの結果を見てみましょう。 35S標識は浮遊しているファージと共に留まっていて、細菌のペレットには無いことが分かりました。これらの感染した細菌から作られた新しいファージは、放射性硫黄を含んでいませんでした。従って、タンパク質からできているファージ殻は、細菌の中で新しいファージ粒子を作るために使われていません。 [チューブにカーソルを重ねる] 32Pサンプルを見ると、私たちは、32Pがいつも細菌と一緒に沈殿していることを見いだしました。更に、これらの感染した細菌によって作られた新しいファージは、放射性32Pを含んでいました。従って、ファージDNAは、新しいファージ粒子を作るために、細菌の中で使われています。 ファージ殻は、細菌の中にファージDNAを運ぶ容器にすぎません。私たちは、ファージDNAだけが、細菌の中でファージを複製するために必要な説明書を運んでいるものと結論づけました。それゆえ、DNAが遺伝物質です。

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ジョシュア・レーダーバーグは細菌の接合実験を提案したのはわずか20歳のときでした。実験はほとんど1回でうまくいきました。彼は、6週間で細菌が接合することを証明するために十分な結果を得ました。

Hmmm...

細菌はなぜ接合するのでしょう?